藤沢秀行-モニュメント完成まで-5

藤沢秀行

 名誉棋聖「藤沢秀行」「狭苦しい墓には入らない。美しい周防灘の海から世界へ旅立ちたい」秀行の遺志により、2009年10月13日、山口県周南市大津島沖で散骨が行われました。

平成二十二年十月十七日

山口県周南市大津島

モニュメント「磊磊・海への旅立ち」実行委員会

 

 

 

 

 

 

 

式次第 司会:池内博子(山口放送)

一、 開会

一、 御挨拶

一、 「海に贈る石音」 (棋士によるセレモニー)

一、 除幕

一、 開眼入魂

一、 メモリアルボックス・献花

一、 「ふるさと」斉唱 (全員)

一、 閉会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

故郷(ふるさと)

一、 兎追ひし かの山
  小鮒(こぶな)釣りしかの川
  夢は今も めぐりて
  忘れがたき ふるさと
二、 いかにいます 父母
  惹(つつが)なしや 友がき
  雨に風に つけても
  思ひ出づる・ふるさと
三、 水山い志を はたして
  いつの日にか 帰らん
  山は清き ふるさと
  水は清き ふるさと


「旅人」 (藤澤秀行)


















我等旅人は、自然のままに咲く、野辺のやさしい花を愛する
風に揺れ、いつしか散っていく
来年、花は咲くだらうか
その時、我等はいずこにあるのか
どんなに長い時が過ぎても、あの花の美しさはここにある
我等の心に
そして我等がいなくなっても、志はここに生きる
この道を歩く彼等、若き旅人の胸に
大いなる天よ、大地よ、海よ
思うがまま進む命を
雄揮なる一手を
記憶に刻み給へ
我等旅人は、帆を上げた朝より、遠き異国の海を夢見る
悟ること無けれど日々探求
いつかは海の果てに至り
平野を山河を我等はさすぢう
どんなに長い時が過ぎても、あの海の輝きはここにある
我等の心に
そして我等がいなくなっても、志はここに生きる
この海を臨む彼等、若き旅人の胸に
※詩の後半を柳田泰山先生が揮篭。モニュメントの海側に刻まれている。