藤沢秀行-野垂れ死に

藤沢秀行

 名誉棋聖「藤沢秀行」「狭苦しい墓には入らない。美しい周防灘の海から世界へ旅立ちたい」秀行の遺志により、2009年10月13日、山口県周南市大津島沖で散骨が行われました。

藤沢秀行「野垂れ死に」

藤沢秀行

藤沢秀行

野垂れ死に

破天荒に生きる。

飲む、打つ、買う、天才勝負師放蕩三昧の八〇年

新潮社

680円

ISBN : 978-4-10-610114-4

発売日 : 2005/04/20

藤沢秀行 ふじさわ ひでゆき

藤沢秀行藤沢秀行

藤沢秀行 | ふじさわ ひでゆき

 一九二五(大正十四)年、横浜市生まれ。日本棋院・元棋士。囲碁九段、名誉棋聖。王座、名人、天元などのタイトルを次々と獲得。昭和五十二年から囲碁界最高のタイトル棋聖を六連覇、平成三年にはタイトル獲得最高齢(六十六歳)で王座に返り咲く。平成十年に現役引退。

 天才棋士と騒がれる一方、ギャンブルで作った借金は憶単位、正妻と子供のいる自宅には三年間も帰らず愛人の所に入り浸り、酒での乱行も数知れず。そんな秀行さんも齢八〇を超えた。とっくに博打場でくたばっているはずが、死神にも見放されたらしい。三度のガンを患うも、みな克服してしまう。「こんなに長く生かしやがって」憎まれ口をききながら、今日も競輪場に通う~。無頼派勝負師が語る痛快なるその半生。

藤沢秀行

野垂れ死に

•第一章 死 くたばり損ない

野垂れ死に未遂の男 横浜大空襲の奇跡 酒は命の恩人 酒との別れ 三度目のガンも克服

•第二章 金 博打三昧

藤沢城落ちる 三年目の帰宅 カードで大儲け 一点勝負で四百万円を手中に 前借りした生活費がパー 小切手、手形にパンバン署名 不動産事務所は開店休業

•第三章 酒 繊細磊落

酒に呑まれなくてはいけない 開高健さんの激励 杉並警察署の最善手 酔っ払って名人位 アル中地獄

•第四章 芸 無悟の悟

「無悟」と不惑 碁は無限なり、個を立てよ 日々是戦 来る者は拒まず 秀行塾の面々 韓国、中国の成長に貢献 突然の引退

•第五章 人 爵然濁存

信長と本因坊 大物政治家との交流 稲葉家の人々 バナナ王指令 財界のサムライ 厳島神社に書を奉納 相米慎二監督の遺作

•第六章 血 父親失格

兄弟は十九人 秀哉名人と思い出の一局 青春の座禅 お袋のおまじない 父親失格 知らぬ間に子は育つ

•第七章 絆 内でも外でも、女性は平等

女房も彼女も平等だ 女房の家出 (中野)と(江古田)を認知借金取りを一喝 「こんなに長く生かしやがって!」 最初で最後のプレゼント

•藤沢秀行に関する年譜