藤沢秀行モニュメント

読売新聞(抜粋)

2010年10月8日

藤沢名誉棋聖の記念碑 大津島で設置作業…17日除幕式

 大津島に設置されたモニュメント  周南市沖の周防灘で昨年10月13日に散骨された藤沢秀行名誉棋聖(昨年5月死去)を顕彰するモニュメントが完成し、7日、同市大津島の大津島公園で設置作業が始まった。散骨から1周年になるのを記念して17日、除幕式が開かれる。

 藤沢さんの散骨場所に近い大津島の島民らが「名棋士の散骨を形として島に残そう」と計画。藤沢さんを慕うプロ棋士も募金を呼びかけ、約300万円の浄財が集まったという。

 モニュメントは、高さ約1・7メートルで「海への旅立ち」がテーマ。躍動する荒波を表現した弧の間から散骨場所が見えるデザインで、島内で創作活動に励む彫刻家中島幹夫さん(77)が、大津島の御影石を使って、7月から約3か月かかって制作した。

 7日の作業では、公園内にトラックで運び込まれたモニュメントがクレーンでゆっくりと持ち上げられ、公園の高台に据え置かれた。計画の発案者の末兼正純さん(72)も立ち会い、「島のロケーションにぴったりのモニュメント。多くの人が訪れる場所にしたい」と話している。

 藤沢さんは横浜市出身だが、瀬戸内海を舞台にした歴史書を愛読し、生前に「周防灘に散骨してほしい」と話していたことから、大津島沖に散骨された。

 除幕式に先立ち、周南市美術博物館では16日から「藤沢秀行名誉棋聖書展」が開かれ、直筆の書や写真、棋聖のメダルなど約50点が展示される。24日まで。入場無料。問い合わせは同館(0834・22・8880)へ。

藤沢秀行名誉棋モニュメント

<写真左より>大津島住民の方、制作者 彫刻家「中島幹夫」さん、株式会社中野グラニット据付職人2名、石材提供(大津御影石)及び制作協力 株式会社中野グラニット代表取締役「中野悦男」