黒いお墓と迷信

お墓にまつわる迷信

 来店された施主さまから様々なお話やエピソードをお聞き致します。勿論、施主さまのご意向ですので異論を唱えることなく、ご意向通りにさせて頂きました。その中でも恐らく山口県だけと思われる言い伝えをお聞き致しましたので、ご紹介致します。

黒いお墓

 山口県地方では黒いみかげ石は採石されません。国産をご希望であれば東北地方から原石を仕入れする方法、輸入であればインド産「インド黒」又は中国産「山西黒」という選択肢がございます。但し、黒いみかげ石は一般みかげ石より高額で輸入石の中でも断トツで高額部類です。国産で黒いみかげ石をご希望であれば輸送費が必要となる為、高額になります。

 業者からの観点は黒一色で研磨された御影石は見事に輝きこれ以上の光沢が出せる石は他には無い美しい石と思います。

 しかし、残念な事に山口県地方では「黒い墓はダメ」と言われる施主さまが何人かおられました。理由をお尋ねすると「親戚が言っていたから」とか理由はお知りではありませんでした。

 真逆で非常にお墓について事前に勉強され、ご来店するなり「こちらで取り扱っている真っ黒な石材は何ですか?」と尋ねられた方もおられました。高額な事をご承知な上で黒以外は買わないとまで言われた程です。

黒いお墓と迷信

板石は貼らない

 安価ですので防草対策に板石貼りをお薦めすると「息が出来ないので墓地を石で覆わないで」と言われ已む無く玉砂利仕上げでご提案させて頂きました。ご契約直前にもう一度「玉砂利仕上げで宜しいでしょうか?」とお尋ねすると「私の墓地の周囲の人は板石を貼ってないでしょ?」と言われ「それ・・誤解・・」と思いましたが施主様の意向ですので、それ以上はご説明する事は出来ませんでした。

 昔は墓地の空いた箇所に板石を貼るという概念がありませんでしたので古い墓地の場合は板石仕上げは少ない訳で現在は玉砂利か?板石か?等と尋ねる事も無く板石貼り仕上げが当たり前となっていて本体と外柵との空間(隙間)が少ない場合は無料で板石貼りをサービスしています。

 確かにビジュアル的な観点からは玉砂利も風合いがあって良いですが玉砂利直下にモルタルセメント土間を施しても間違いなく雑草は生えてしまいます。墓地を末永く、手間をかけずに綺麗に保つためには板石貼りは必須条件です。

黒いお墓と迷信

閏年はお墓を建てない

 最近こそ少なくなってきましたが以前は売上が半減する程、影響があった迷信です。これが山口県だけなので不思議な迷信と言えます。逆に閏年にご来店されて「閏年に建てるから値引きして下さい!」って方もおられました。

 この迷信をお寺さんや関係業者の方などにお話すると、何故このような迷信が出来たかの推測が成り立ちましたのでお話致します。

 一、江戸時代(旧暦)は閏年が1ヶ月あり閏年は13カ月であった。

 二、江戸時代は年給であった。

 三、山口県(毛利氏)は関ケ原で敗退し減封され財政難であった。

 四、その為(三)、年貢(税金)が高かった。

 五、その為(一)、閏年は墓を建てなかった。

 六、閏年は石屋(建墓)が暇なので城などの修復で賄った。

 七、その為(六)、閏年は石屋が不在だった。

この迷信は要するに「墓を建てない」又は「墓を建ててはならない」ではなく「建てる事が出来なかった」ことが、この迷信に繋がった最有力原因とみられる事に辿り着きました。

 この他にも、お墓の向き(方角)や建立日など切が無いほど迷信がありますが、気になる方は菩提寺のご住職や寺族の方に、ご相談されると安心出来ます。

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2016年04月08日|サポート情報:建墓, 豆知識